ここでは幸せな人生を送るのに一番大事なことについて、アメリカのハーバードでの有名な研究をもとに紹介します。
人生を幸せに生きるのに一番大事なことはなんでしょうか?
お金?社会からの認知?愛?
答えは無数にありそうですね。
人が幸せになるために必要なこと、この問いに一つの答えをだした研究チームがいます。
ご紹介するのはマサチューセッツ病院の大人の発達研究所、所長Robert WaldingerさんのTEDトークWhat makes a good life? Lessons from the longest study on happiness 「 何が良い人生をもたらすか?史上最も長い研究から学べる事 」です。
研究チームは人の幸せに何が一番寄与するのかを実に75年以上も研究を続けています。
これだけの長い間研究を続けているチームには脱帽です。こんなに簡単にその研究結果を受け取って良いのか戸惑いますが、一人でも多くの方に知っておいて欲しい話です。
下記まとめました。
75年に渡る幸せに関しての研究
以前若い人に「人生での一番のゴールは何か?」と問いかけました。
80%の人は一番の指標とするゴールはお金持ちになる事だと言いました。
50%の人はその他のゴールとして有名になる事を挙げました。
そしてお金持ちや有名になるためには、仕事にのめり込みそれを達成することが大切だと考えています。それが幸せの道だと。
私たちが人生について知りたい時、様々な人にそれぞれの人生について聞くことはできます。
ただ、彼らが語るのは全て自身の過去の経験です。過去のことは忘れることもありますし、解釈によって書き換わることもあります。情報は正確ではありません。
それでは例えば彼らの人生をずっとライブで見ていることができたらどうでしょうか?
彼らが18歳から老人になるまでずっと彼らがどのうように成長するか、結果的に幸せになるのか、不幸になるのか見れたら、そしてそこから学べたとしたらどうでしょうか?
私たちはそれをしました。
ハーバードのAdult Development(大人の発達についての研究)は、実に75年以上にわたり724人の男性をトラッキングしました。
彼らが18歳の時から老人になるまでずっとです。こんなに長く続く研究はとても珍しいです。研究者が死んでしまったり、研究のためのお金が枯渇してしまったり、そもそも研究に興味を持たなくなったり。ただ私たちは世代を渡って75年以上にわたる研究を続けています。私は4代目の所長になります。
研究を始めたのは1938年。そこで私たちは2つのグループから被験者を選びました。
1つはいわゆるエリート育ちのハーバード大学生、卒業後ほとんどの学生は第二次世界大戦に行きました。
2つ目はボストンに住む貧困層の子供たちです。ハーバード生とは真逆で生活状況が劣悪で非常に難しい状況に置かれた子供たちです。
その後長年にわたり彼らがどのように成長するかを研究しました。
彼らの身体検査、血液検査、脳のCTRを取ると言った医学的アプローチを行うとともに、家庭を訪問したりインタビューやビデオ等により彼らがどういった職業に着くのか、どんな気分で毎日を過ごすのか、家族とどんな会話をするのか、様々な角度から彼らの人生をモニタリングしました。
工場で働き出す人、弁護士になる人、医者、大統領、アルコール中毒になったり。不遇の状況から輝かしい人生を送った人もいれば、その逆の人もいました。本当に様々な方がいました。
そして私たちは75年もの歳月をかけ、細かな研究とモニタリングの後一つの答えにたどり着きました。
幸せに生きる為に大切なこと
長年の研究、膨大な研究資料が導き出した一つの答えは明快でした。
私たちが学んだのことは幸せは富や名声に基づくものではありませんでした。
幸せで健康的な生活人生を送るために必要なことは「良好な人間関係」です。
よい人間関係こそ人の幸せには不可欠なのです。
人とのつながり、社会とのつながりが人を幸せにし、健康的にします。
孤独を抱えている人はどんどんと孤独になり幸せから遠ざかり脳の活動も鈍ってきます。
ただ今アメリカの人の5分の1は孤独な人たちです。
もう一つわかったのは人間関係といってもそれは数ではなく質が大事だということです。
たくさんの人とつながっていることが大事なのではなく、自分を本当に理解してくれている人、自分が信頼できる人との関係があるかないかというところが大事なところです。
例えばお互いが信用できずギスギスとした結婚生活を続けることは、離婚してしまうよりも不幸です。
研究では50代で人間関係が良好で幸せな人が80代でになっても1番健康で幸せという結果が出ています。
良好な人間関係は脳にも影響します。
年をとりいわゆるボケるのが早いのは信頼できる人がいない、人間関係のない人です。
良好な人間関係といっても、別にいつも仲良く楽しそうにしている関係ではありません。
喧嘩をしたり、ときには仲が悪くなってもお互いを思いやり、信頼し合える。そういった関係があれば脳はとても健康的になります。
幸せになる為に、まずできること
しかし言うのは簡単ですが、人間関係は人々の悩みの常です。
ではなぜ良好な人間関係をつながりを築くのが難しいのでしょうか?
例えばお金で何かを買ったり、何か能力を身に付けたり、努力して賞を受賞したり。
それらは計画が立てられ、目に見えたり、自分で実感できるとてもわかりやすくやりがいのあることです。
ところが人間関係はどうでしょう。とても難しい。
複雑で、いつまでも終わらないですし、またどんどんと変わっていきます。
人間関係の構築はとても体力、気力を使います。いつまでたっても答えがあるようでないのです。
それでも、私たちは長年の研究で人を幸せにするのは人とのつながりでしかないと学びました。
ですので、仕事で自己実現も良いのですが、幸せになるためには私達はもっと人と人とのつながりに重きを置かなくてはなりません。
とても骨の折れる作業でも、気を使う面倒なものでもコミュニティ、友人、家族、彼らとの「つながり」をもっと大切にしてください。
そんなことを言われても具体的にどうしたらいいのか?と思うかもしれません。
なんだっていいんです。大きなことでなくていい。
例えば友人と何かを一緒に新しいことを始めたり家族と一緒に近所を散歩してみたりパートナーと夜にデートに行ったり最近会っていない親族に会いに行ったり。
因みに、人が深い後悔するのは、その気になればいつでも会えたはずの親族と会わなずじまいのままその方がなくなってしまうことです。
しばらく会っていない親族や大切な友人とは会っておくことをお勧めします。
最後にMark Twainが晩年に書いた言葉を引用して終わります。
「人生はとても短い、心を痛めたり、謝罪したり、責任を追及している時間はない。そこには愛し合うための時間しかない。それが例え一瞬であっても。」
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