ここでは書籍『リーダーシップに出会う瞬間 成人発達理論による自己成長のプロセス』の要約をご紹介します。
「リーダーシップに出会う瞬間」は、ロバート・キーガン(Robert Kegan)による成人発達理論を基にした自己成長とリーダーシップについての本で、リーダーシップの本質を深く掘り下げ、個人が成長しながら効果的にリーダーシップを発揮するためのプロセスを解説しています。
組織のリーダーに限らず、自分自身の人生のリーダーとなるべく自分らしい人生の歩み方を教えてくれる一冊です。
ストーリー形式で構成されている為、とても読みやすくストーリーを楽しみながら多くの学びを得ることができます。
自分の成長に停滞を感じている方、リーダーシップに興味のある方、リーダー職はできれば避けたいと思っている方、自分らしく生きたいの願いながらもなんかうまくいっていない方などにはとてもおすすめです。
本記事ではそのエッセンスを筆者なりにまとめています。捉え方は読む人によっても変わりますので、興味が出た方は是非購入して読んでみてください。
Life goの代表及びライフ・キャリアコーチ
同志社大学卒業後、プライム上場企業にて海外営業に従事。5年以上の海外駐在を経験するも長らくキャリアに悩んでいたところ、コーチングに出会い人生が変わる。30代後半で異業種異職種への転職ながら年収100万円アップ、副業(収益月10万円ほど)や投資(投資資産4000万円以上)でも結果がでるように。自分のように生き方に悩んでいた人のサポートをしたいとコーチングと心理学を学びLife goを立ち上げ。
現在複数コーチング会社のコーチを兼任。米国Transformation Academy認定ライフコーチ。
「やりたいことがわからない!もっと自分らしく生きたい!」そんな方はこちらから相談受付け中
「やりたいことがわからない」「今の会社でいいのかな、、」とモヤモヤしている人は、一度プロに相談すると前に進めます。
「ポジウィルの45分無料カウンセリング」は「今後どう生きるのか?」を軸にキャリアコーチがあなたの悩みの言語化、1人では気づけない「気づき」を得られます。
オンラインで気軽に相談、無理な勧誘はないので安心。上手く話せなくても大丈夫。
迷いが晴れると前向きになれる!
\ 顧客満足度92%以上!人気なのでお早めに! /
お問合せからDMを頂ければ友だち割引で3万円割引が提供できます!是非ご活用ください!
ポジウィルの受講を決めた際は、私に超要約:リーダーシップに出会う瞬間
まずは本書のエッセンスをギュッと詰め込んだ超要約になります。
リーダーシップと影響力
リーダーシップとは影響力である。誰でも相手の行動やあり方に影響をうけるようにリーダーシップは誰の中にもある。その中でもリーダーシップのある人というのは、多くの人に影響を与えるような「あり方(存在感、雰囲気)」を身につけている。
リーダーシップとは「あり方 =Being」を磨くことであり、そのためには自分の「影響力の起点」に自覚的である必要がある。
「影響力の起点」とは、自分が外界をどう認識し判断しているかということ。
人は何かしらの「心のレンズ(価値観や置かれた状況など)」を通して、外界からの情報に無意識の意味づけをする。この意味づけの起点には大きくエゴとコアがある。エゴは自己保身や私欲、コアは純粋な願いからくる。
影響力の起点がエゴの場合は保身のための行動として周囲に見透かされチームはついてこない。仮にそれらしい正義でラッピングされて一見エゴでないと見なされていても不適切な判断や不本意な結果に結びつく。
反対にコアな願いが起点であると、人の心を動かしチームに主体性が生まれ創造性が促進される。
コアリーダーへの道は簡単ではない。(成人発達理論の3段階目、自己主導的段階への成長)なぜなら自分のコアな願いを日頃から考えることは少ないし、仮に自分の起点がエゴ(私欲や保身)であることに気づいてもそれを認めたくないため自己欺瞞で目をつむることも多い。
まずは自分の影響力の起点に自覚的になることが重要。
自分の状態を客観的に観察して、事実と解釈をわける。感情に任せて一人ドラマを展開するのでなく自分の感情を客体化する。現実を丁寧に捉える。
そして枠の外の体験を一つ一つ丁寧に積んでいく。例えば、人に合わせがちならランチのメニュー1つ選ぶことから人に合わせるのでなく、自分の願いから動く。
そして自らのエゴに、恐れに向き合う。この向き合うプロセスこそがコアな願いにつながっていく。
コアリーダーの道は平坦ではないがその先に、本当に自分の人生を生きていると言う実感や、真の仲間と出会える道がある。
筆者に響いたメッセージ
本書にはあなたを応援する力強い明言が各所に散りばめられています。その中でも特に筆者に響いたメッセージをピックアップしました。
ワクワクは枠の外へ
未知の事は誰でも怖い。今までいた自分の枠を超えるものだから、でも自分の枠の中にずっといるのも退屈。未知の世界に飛び出せる枠の外は面白い、本当は。
リーダーシップとは影響力
何をするかでなくどうあるか。その人のbeingが影響力。誰もがリーダーシップ(影響力)を発揮している。重要なのは自分の影響力の起点を自覚すること。
やってみないとわからない。聞いてみないとわからない。扉の前で悩まない
視野を広げる
・いつも自分の状態を観察して起点を見ること(感情にのまれない、起点はコアかエゴか)
・焦らず一つ一つ丁寧に枠の外の「体験」を積むこと。視野の広さは、知識ではない、体験。
願いを握りしめ、ヘドロに突っ込む(損してもいい、嫌われてもいい、無価値でいい)
恐れに向き合い、そこに突っ込み怖いものを受容して飲み込む
遠慮は迷惑。自分のもてる光を出し惜しみしない
心は無理に成長させなようと焦らない
成人からの発達段階
本書はロバート・キーガン(Robert Kegan)による成人発達理論をベースにしています。成人発達段階は以下の4つに分類されます。
自らの願望や欲求を満たすために、他者を道具としてみなす傾向があり、自己保身と自らの利益のために行動を起こす。
他者の期待に応えようとする意識が強く、自分の考えや主張を表明することよりも、他者の意見に従順になる。平和主義で周囲との関係において八方美人として振る舞ってしまうよう。
他者の期待に従順になるのではなく、自らが自らの主になる段階。自分が自らの主になるためには、自分が大切にしている思いや考えは何であるかを明確にし、それに基づいて主体的に行動できることが求められる。
他者の気持ちや考えを考慮しながらも、それに飲み込まれることなく、自分の気持ちや考えを尊重できるようになってくる。
構築した価値観を手放し、その価値観を構築した主たる存在に気づく段階。自分には多様な側面があり、しかもそれらをまるで季節の移り変わりのように自然な形で変化していくことに気づく。
同時にこうした無数の自己の側面は自分の存在全体を表すものではないゆえに、それらが「空虚の産物」であるということに自覚的。そしてそういった空虚の産物も理解した上で抱擁し自分の存在全体を受容する。この世のあらゆるものを愛おしく思う。
成熟度と俯瞰力
成人発達理論の多くの研究結果は、私たちが人間として成長を遂げていく際に、視野が拡大していく現象を明らかにしている。
はじめは自分にしか視点が取れない。この段階では、他者がどのように物事を捉えているか何を感じているかに視点を取ることができません。自分の欲求や願望にとらわれる形で自分にしか視点を当てることができない。
その後成熟を徐々に遂げていけば、自分だけではなく、自分を取り巻く他者の視点を取ることができるようになってくる。
リーダーの成熟度合いが増せば増すほど視座が高くなっていき、その結果として物事を見通す視野が拡大していく。
視野の拡大とも関連するが、さらに人は成熟を遂げるほどに自らの感情をより客体化することが可能になる。
未成熟なリーダーは自分の感情と一体となって自分の願望通りに物事が進まないと苛立ち、その苛立ちに気づくことができずに感情のままにリーダーシップを発揮する。
成熟したリーダーは自分が今どのような感情を持っているのかに気づきの意識を与えることができる。自分自身の感情をより俯瞰的に眺めるこでより適切な行動をとることが可能になる。
ここまでがエッセンスをまとめた超まとめです。
以降各章のまとめです。
リーダーシップとは
リーダーシップとは2人以上の人が存在するときに、そこに起こる影響の与え合いのこと。
影響の結果として、相手の行動が引き起こされる。仮に部下であっても上司は部下の影響を少なからず受けて、いろんな行動を引き出される。つまり部下のリーダーシップを感じている。
何をするかではなく、どうあるかと言うこと。リーダーシップとはdoingでなく、being。その人の存在感、雰囲気、あり方。
あり方を問うリーダーシップの考え方はハーバード大学教育、大学院教授、ロバートキーガンとボストンカレッジ経営、大学院教授ビル・トーバートは、リーダーシップに関する発達現象からも説明できる。
水平的発達
リーダーが発揮する種々の個別具体的な能力の種類が増加していくことをリーダーシップの水平的発達といいます。例えばより視野の広く制度の高い意思決定を行える能力や、問題解能力、マネジメント能力、交渉力など。(doing)
垂直的発達
単純にスキルの種類が拡大されていくのでなく、スキルには深さが存在する。スキルは単に水平的な拡張をするだけでなく能力の次元がより高度になるとい垂直的な発達を遂げていく。「あり方」もまさに垂直的な発達をする現象。器の深さと表現されることにもつながる。
「リーダーシップ=自分のあり方」を磨くために、1番大切な事は「自分の影響力の起点」を自覚すること。
影響力は自分の外で起きていることを自分がどのように認識しているかで決まる。その認識から自分の行動が選択され、それが周りへ、何かしらのインパクトを与える。もう少し厳密に言うと、実は行動を選択する前から、つまり自分の外界を意味付け判断している瞬間から影響力は発信されている。
私たちは目の前で起きていることに対してあるがままを受け取る事はできない。誰もが「心のレンズ」を通す。それは自分なりの価値観やその時の状況などからできていて、そのレンズで無意識に意味付けをして判断をしている。
先輩や上司である私に報告や相談が少なく、自らの考えで業務を遂行する新入社員がいたとする。
(1)自分が上司には細やかに報告や相談をするべきだと言う価値観の心のレンズを持っていたら、彼の行為は身勝手で腹立たしく感じ、注意を促したり、不機嫌になるかもしれない。
(2)自分が自立した仕事をよしとする価値観のレンズを持っているなら、彼の行動は自分の頭でものを考えて主体的に動ける頼もしい人材であると感じ賞賛するかもしれない。(ただし、自分が失敗を許されない大きなプロジェクトを抱えることになると、その時の心レンズは、彼の報告や相談の少なさや実行判断で仕事を進める姿をリスクであると言うふうに見せ、メンバーには加えないかもしれない)
外界を認識し判断した瞬間から影響力が発揮され始める。何も行動を起こさず黙って座っていたとしても、周りの人はその人が何をどう認識し判断しているかと言うことを無意識に察知し反応する。
人は、その人の雰囲気やムード、気配のようのようなものにも影響を受ける。相手が立場の高い人や先輩であれば、なおさら敏感になる影響も起きやすくなる。リーダーは自分の影響力の起点に自覚的でないといけない。
エゴリーダーとコアリーダー
人の影響力の起点にはエゴとコアが存在する。その影響力の起点によってエゴリーダーとコアリーダーに分かれる。
・エゴリーダー
自分のエゴイスティックな部分を起点に人への影響力を発してしまうこと。
エゴの正体は保身。保身は生命維持のためには本能的に必要なものだが強すぎると偏見や思い込みを強化してしまい、事実をありのままに見えることができなくなってしまう。その結果、判断や行動はその場に不適切なものになることが多い。
・コアリーダー
エゴイスティックの部分ではなく、もっと自分の思いの核となる純粋な願いを起点に影響力を発揮すること。
未熟なリーダーは保身や私欲を満たすエゴリーダーになりがち。
エゴリーダーが成熟したコアリーダーになるためには自分の影響力の起点に気づくことが重要。
しかし自分の影響力の起点に気づくことには大きく2つの難しさがある。
①自己欺瞞:誰でも自分が何か欲しいのある弱い人間だって認めるのは嫌だ。だから、本当は保身があることを薄々気づいていたとしても、それに向き合わず、適当な正義を持ってきて、本当の気持ちをすり替えて、自分のエゴティックな起点に蓋をしてしまう。私は正しいことをしているだけと。(正義のラッピング)
②自分の願い判断基準がわからない:自己保身に気づいたとしても、それでは保身からでなく、どこから判断し、選択すればいいのか、つまり自分の本当の願いは何なのかがわからない。多忙な毎日で、普段はあんまり考えない場合が多いためわからない。
一見不都合な自己保身も、ちゃんと向き合い自分の影響力の起点(=事実をどう認識し、判断しているか)に保身があることに自覚的になれば、自分の保身が的確な判断を阻害していることにも気がつくことができる。すると影響力の起点を見つめる態度が変わってくる。そしてその保身と向き合うことプロセスが自分の本当のコアな願いを認識できるようになる道そのものとなる。
利己的・道具主義的段階
視野の狭いエゴリーダーは自分の影響力の起点が保身であっても、それをうまく正義でラッピングする場合がある。
正義のラッピングが上手な人は「〜べき」などの断定的な表現で相手を追い込んだり、コントロールしたりするのがうまい。隙のない完璧な正論で、相手を追い込み、みんなを納得させて巻き込む。
本音を正義と言う包装紙で包んで伝える。相手も周りもつい巻き込まれてしまうけど、よく観察すると、彼の保身や視力が透けて見える。
このような視野の狭いリーダーは発達理論では最初の発達段階で利己的段階あるいは道具主義的段階と呼ばれる。
道具主義的段階とは、他者を道具のようになす思考で自らの願望や欲求を満たすために、他者を道具としてみなす傾向がある。自己保身と言う自らの利益のために行動を起こす。
他者の視点を取ることができないのもこの段階の特徴
この発達段階にいる人がマネージャーである組織は様々な問題を招く。周りを萎縮させ、他のメンバーの心理的安全性を伴い、それによってメンバーの創造性が発揮されなくなる。また他者への視点取得能力が不足しているため、部下の成長を支援することが極めて難しい。
ただこの段階にも自分を通していく力強さであったり、状況によっては頼もしく思いような毅然とした態度などといった強みはある。
正義のラッピングに人は惑わされるが、大事なのはたとえ上司であっても人の意見を鵜呑みにしないこと。どんな意見も必ず自分で考え直す。吟味する。本当にそれでいいのか、どうすればいいのかを自問自答する。
そして、付き合いづらい人がいても、「不要な人などいない。正解だとしたらどうか?」と問う。
この人の存在が、この場にとって正解だとしたらどうだろうと考えてみると活路が見出せる。
他社依存段階から自己主導段階への成長プロセス
本の中で主人公は八方美人な自分に困惑する。
多くの人の気持ちを考慮しすぎて、自己犠牲的な姿勢が癖になっていている彼女は、人に迷惑をかけたくない嫌な気持ちにもさせたくない。だから自分で抱え込むという行動を繰り返している。
これは発達段階の他社依存段階(慣習的段階)にあたる。
他者の期待に応えようとする意識が強く、自分の考えや主張を表明することよりも、他者の意見に従順になるというものが挙げられる。平和主義で周囲との関係において八方美人として振る舞ってしまうような特徴は、この段階の特徴。
主人公は、その影響力の起点を見つめ直す。
「自分さえ我慢すればと言って、抱え込む行動の根っこは何か?」
それは自己保身。人から嫌われたくない、、孤立するのは怖い、、という保身。
「でも、それの何がいけない。誰にも迷惑をかけていないのではないか?」
いや、自己犠牲的になって溜まったストレスを排気ガスとして撒き散らしている。
周囲に八つ当たりをしたり、食べ過ぎたり、必要のないものを買い込んだり、社会の資源の無駄遣いして自分の体や心を壊している。
このことを認識する。
自分のエゴな起点が結局自分の不利益、不適切な行動につながっていること認識する。
そして「自分はどうしたいのか」を見つめる。
そうすることで徐々に次の発達段階、自己指導的段階に移っていく。
自己主導段階とは他者の期待に従順になるのではなく、自らが自らの主になると言う段階。
自分が自らの主になるためには、自分が大切にしている思いや考えは何であるかを明確にし、それに基づいて主体的に行動できることが求められる。
自分の利益のため、その利益を獲得するために、他者を道具のようにみなすと言う利己的な振る舞いではなく、他者の気持ちや考えなどを考慮に入れながらも、それらにのみ飲まれないように自分の気持ちを大切にしていくと言う発想。
発達の原理には「含んで超える」と言う特色が特性があるように、他者の気持ちや考えを考慮しながらも、それに飲み込まれることなく、自分の気持ちや考えを尊重できるようになってくるのが自己主導的段階の特徴。
現実を丁寧にみつめる
他社依存段階から自己主導段階への成長を遂げる上では自身の影響力の起点をみつめることが重要。
しかし他者依存段階の人は現実の捉え方が雑。
現実に起きていると思い込んでいる9割は勝手な解釈。自分の推測の中でつくったストーリーや意味づけ。残りのたった1割が真実。他者依存の段階の人は思い込みで右往左往している。
1割の事実にだけ対応すると決めると人生はシンプルになる。
①推測の言葉多分きっと喉が浮かんできたら気をつける。
②これは事実じゃない解釈だと自分に良い気がす。
③見ていることを事実と解釈に分けて紙に書き出す。
④思い切って相手に確認をする。
自分が見ているドラマに勝てるのは事実だけ。
行動は頭で考え込んでいるよりも何倍も早く物事を解決する。
成長の葛藤
人は成長を遂げていくときに、「健全な自己批判」と言う現象を経験する。
これまでの自分の行動を批判的に検証すると言う態度や、これまでの自分の発想や枠組みを疑うと言う現象として現れる。これまでの発達段階の自分と決別し、次の脱段階へ向かっていく。
そして私たちは、これまでの自分の行動や発想の枠組みを完全に否定していく際に、必ず葛藤を内側に抱えます。
この葛藤ゾーンを乗り越えるには、自分が一体どのような思い込みに基づいて現実を認識しているのかを把握すること。私たちはミスから自分の思い込みが何かを特定し、それを検証していくことを続けていくことによって徐々に認識世界が豊かなものになっていく。
正しいリーダーになろうとしない
人は、役割の変化によって認識の変化が起こる。
管理職になることによって求められる役割が変化し、それまで参加することなかった会議に出席し、そこで一番高い次元から日々の仕事や会社の授業を捉えるようになる。
未知な役割を担うことにはためらいがあるかもしれないが、人は新たな役割を担いながら、自己を取り巻く新たな関係性の中でゆっくりと成長していく。
そして人は発達が進み、自己主導段階に近づけば近づくほど自分なりの理念と言うものが形成されてく。
自己指導段階に近づけば近づくほど権威を疑う健全な目が育まれていき、これまで盲目的に従っていた権威の考えや理念などを自ら検証するようになる。そうした検証を得て徐々に育まれていくのが自分なりの理念。
自分なりの理念と言うものは、自らの深い部分から生み出されてものであり、それは大にして人の心を打つ力がある。
他者の心に響き浸透していくような言葉の本質には、自らの言葉で語られたゆずれない理念があり、そうした理念を新たな役割を伴い、担いながら少しずつでいくことが自己指導的な自己に向かっていく道だと言える。
誰かの正しさでなく、自分の正しさに立つ。それが理念のあるリーダー。
自分らしさが大事
発達の原理に「主体であるものを客体にする」と言うものがある。
これは、これまで無自覚な自己の側面に気づいていくことが発達を促すと言うこと。
私たちの発達はこれまで気づけなかった自己の側面に気づいていく過程であり、このプロレスに終わりはない。自分の弱さと言うのも自己の1つの側面であり、自分の言動がどのような考えや価値観から生まれているかに自覚的になる事は、これまで気づかなかった自己の側面を客体化することを意味している。
自分が食べたいと思ったサンドイッチプレートはやめて、相手に合わせてグラタンセットにしようとした時、どんな思いが心の中にあったか。
無意識に相手に合わせてしまう。
なぜ合わせてしまうのかそれは恐れだ。
嫌われてしまうかも、、でも冷静に考えればそんなことで嫌われることがないことはわかる。
常に自分の選択の起点が恐れからやろうとしていないかどうかを確認する。
すると、だんだん自分の保身が的確な判断を阻害していることがわかってくる。
そして保身がなければどう判断するかを考える。
この場合であれば、サンドイッチプレートと注文する。自分の思いのとおりに動く。
この繰り返しが自分の本当の願いと出会わせ、最終的に願いから選択を見極めることになり、最後はそれを行動に移す。これがコアリーダーのコンピテンシー。
人は自分の欠点や弱点といったネガティブ部分を受け入れることを恐れる。
でも、それと同じように、もしかしたらそれ以上に自分のポジティブな部分を受容することを実は恐れている。
例えば、知性の高さ、美しさ、影響力の大きさ、優しさ、自身、華やかさ、そして自分の奥にあるコアの願い、志、理念、夢、それらを受け入れてしまうと同時に発生する責任や周りからの妬み、期待に来られなかったときの恐れ、そして孤立や失敗、損をするリスクも同時に引き受けなければならなくなる。
だから人は遠慮や謙遜を言い訳にして、そのもてる光を出し惜しみしたり、自分の中になかったことにしたりする。そしてとうとう周りはその人の貴重な資源を享受できなくなってしまう。
遠慮は社会の迷惑である。
率直な発言が遠慮される対話は何も生まない。間違っていたり、独りよがりだったり、考察不足の発言でもよい。ばはゆらぐ。ゆらぐから気づきは起きる。ゆらがぬ場は何も起きない。
自分より優れた人がいる。それがどうしたというのだ。優秀なんてどうでもいい。そこに資質はある。
保身ではない起点からの情熱があるなら、それは社会のため、その場のための大切な一筋の光。それがコアの願いと言うもの。遠慮して引っ込めてしまわず、それを場に差し出してごらんなさい。どんなに不完全な形でもいいから、コアからの願いは、人の心を動かす。遠慮して黙っているよりずっとまし。
言ってみて、周りから反発されたり、無反応だったりした場合は、それはすべてただのフィードバック。傷つく必要は無い。逆にありがたく参考にさせてもらって、さらに自分の願いを研ぎ済ませばいいだけ。そうやって、何度も自分のコアな願いを磨き上げる。
何度もコアな願いが体験を通して徐々に腰出され、磨き出される。自分の信じる、行動起こし、それを省みるこのプロセスがとても重要。
そのプロセスは、きっと孤独、恥、敗北感、不利益、そんなものと直面することになる。だから、たやすいことでは無いかもしれない。でもその先に、本当に自分の人生を生きていると言う実感や、真の仲間と出会える道がある。
コメント